2012/04/24

風になりたい




あらためまして

せかいへいわmusic所属のアンニョン・クレヨンです。

アンニョン・クレヨンは、韓国籍のキムミジャと日本国籍の壮馬とで結成した

夢想音楽家ユニットです。



わたしたちは、幼少の頃からの夢である「せかいへいわ」を目指し、

昨年2月に第一歩を踏み出しました。


あれから1年が経ち、春の訪れと共に、私たちの想いが少しずつですが、

実を結びはじめました。



ここ最近、人権セミナー、病院の行事、教育現場、などなど・・

多方面において公演のご依頼をいただいております。




私たちは、公演中のMCの場などで、

私たちの「想い」を伝えるとき、

少し「覚悟」をします。

それは、「誤解されるかもしれない」という「覚悟」です。




先日も、人権セミナーの公演に先立っての顔合わせの場で、

私たちの想いを伝える場面が訪れました。

いつものように少し覚悟を決め、お話させていただきました。



私、キムミジャは、韓国籍ではありますが、

日本で生まれ育ち、韓国にもほとんど訪れたことがなく、

韓国語を全くと言っていいほどしゃべることもヒアリングも出来ません。

いわゆる在日コリアンの三世にあたるのですが、

大した差別も経験せず、(差別を差別と気づかなかったことも多い)

壮馬や、私の友達と同じように日本の学校で勉強し、同じ給食を食べ、

松田聖子ちゃんに憧れ、シブガキ隊のヤッくんが好きだった、

自分の意識としては全くの日本人なのです。

かと言って、これまでずっと、帰化する気にもなれませんでした。

だからこそ・・と言うべきでしょうか。

それは、故郷への想いだとかそういうものではなく、

ただ、ここで生まれ、ここで生きているだけなのに、

なぜ、お金を出して、そんな特別なことをしなければならない?

という想いが強かったのです。
(帰化するには手続き上ある程度のお金が必要です)



ではなぜ、わざわざキムミジャと名乗るのか。

それも、実は「だからこそ」なのです。


「京山 美子」の名でずっと生きてきたのに「キムミジャ」が本名なんですって。

名前って一体なに・・? という・・



こんな在日コリアンです。ということを伝えたいのです。


ただ「在るがまま」を伝えたいのです。

「音楽」という世界共通の風に乗せて。

韓国人という肩書きの私と、日本人という肩書きの壮馬とのハーモニーで。




話し終わると、その場に居合わせた先方の方々は、

「いいですね!」と言ってくださいました。

「良い意味で、期待を裏切ってくださるよう、期待しています!」

とも言ってくださいました。

この瞬間、夢の花が1つ咲いたのでした。


そしていつものように、壮馬が力強い口調で締めくくってくれました。

「私たちは、素敵な世界を築いていくための、新しい風になりたいと思っています。」




そのセミナーでは、在日コリアンの歴史や様々な差別についてお詳しい方が

講師としてお話されるそうで、

なんとその講師を務められる方とは、

最近偶然出逢う機会があり、

私たちの想いを伝え、またその方からは歴史や差別について教えていただき、

交流させていただいたところでした。

偶然にして必然なのですね。

戦争を体験した人、戦争を知らない人、差別を経験した人、差別を知らない人、

差別をした人、差別をされた人、おじいちゃん、おばあちゃん、オトナ、子ども、


世代を超え、国境を越え、怒り、憎しみを超えて、

すべての人々が在るがままの姿で手を繋ぐ、

そんな時代を築く時が来た。そんな気がしています。


「何も知らないくせに!」と言われるかもしれない。

でも、何も知らないからこそ言えるのだと思います。

そして何も知らないからこそ、

きちんと「真実を知りたい」と思うようになってきました。


先日もせかいへいわmusic一同で、

宝塚市の議会報告会に参加してきました。

「外国人登録証」が「住民票」に切り替わるそうですね。

この前進に尽力された方々に敬意を表します。




私たちは私たちに出来ることを。


今日のような心地よい風のように、

これからも「せかいへいわ」を唱い続けます。

0 件のコメント:

コメントを投稿